【中途半端!EOS R5】価格帯別フルサイズミラーレス考

27/08/2020

一応、各社のフルサイズミラーレスシリーズが整ったというところでしょうか?
価格帯別とはいえ結構開きがあります。
CANONもEOS R5を投入してきましたが、コストパフォーマンス悪いですね。

お高い機種の考察



最初に申し上げておきますが、決して私はSONY信者ではありません。
CANON F-1が最初に購入したキャノン機で、デジタルカメラが世に出てからしばらく様子見でしたがEOS KISS X4、X6i、80D、7DmarkⅡと来てSONY α7Ⅲに至ってます。CANONからSONYに鞍替えしたのでCANONが新しいカメラを出すたびに戦々恐々としております(笑)
が、結論から申し上げるなら高画素機のおすすめはSONY α7RⅣです。

 
さて、SONY α7RⅣ、NIKON Z7が2019年9月それから1年遅れでCANON R5が2020年7月発売となりました。

力点がわからないEOS R5

EOS R5は画素数は4500万画素、4Kどころか8Kまで撮れるものの熱対策が…
α7RⅣとの10万円の差は疑問です。はっきり言って動画静止画どちらに力点を置いたのかよくわかりません。
手振れ補正が8段というのは確かに驚きです。感度を上げない代わりにシャッタースピードを下げることでノイズをかわすことができますね。(相手が動体ではどうしようもありませんが)
しかし、EOS 5Dシリーズのように高画素・高機能で、高額であっても十分納得できる部分があれば良いのですがR5もR6も随分高いなと思います。
高画素数が必ずしも良いわけではありませんが、後発なのに画素数でα7RⅣに負け動画の機能に関してはα7SⅢの方が動画に特化しているのが良くわかります。
その割にEOS R5はこの価格?というのが中途半端だなぁと思った理由です。
そういう点では、NIKONはZ6、Z7とも言いたいことがよくわかるラインナップだと思います。

画素数とカラーノイズ

EOS R5(46万円?)α7RⅣ(約35万円)Z7(約32万円)について考えてみました。
最初に出たSONY α7RⅣは、6100万画素と抜きん出た画素数であるのに対し、NIKON Z7は4575万画素、CANON R5は4500万画素と横並びです。
普通、画素数が高くなるとノイズは増える傾向にあるものですが、この3機種の数値上のノイズは、どっこいどっこいです。

ダイナミックレンジの比較などもできます 

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高画素になるとノイズは目立つ傾向にあり、一番気になるのはその点です。
実際の比較では、EOS R5のカラーノイズが若干抑えられているかなという印象を持ちます。

逆に高画素な分、SONY α7RⅣのカラーノイズがすこーし多いかな~という感じがします。特にISO25600から差が大きくなりますね。
しかし、そのノイズの多寡と1500万画素の差、価格差を比較したときにどう考えるかですね。
画素数が少ない分、比較してみたα7Ⅲがなかなか良いようです(笑)

SONY α7RⅣは、APS-Cモードでも約2620万画素での撮影ができ、レンズのF値も変わらないという点に大きな魅力を感じます。
また、RAWでは使えませんが全画素超解像ズームを使えば単焦点レンズをズームレンズのように使うことができます。初期投資がしんどい分、レンズの購入を先延ばしすることが可能になります。
(全画素超解像ズームは、α7Ⅲで使ったことがありますがAFの問題以外かなり使える機能でRAWから即座にJPEGに移行してズームできるように設定してます)
R5もZ7もAPS-Cクロップはできますが、元の画素数の差があるのでちょっと不利ですね。
R5は電子シャッター使用時に最高20コマ/秒だそうですが必要あります?

瞳AFに関して

撮影風景がもうYOUTUBEにUPされているので、こちらをご覧ください。
NIKON Z7は若干不利ですがα7RⅣとR5は大きな差は無いですね。私はSONYの小さいフレームの方が好きです。
R5は動物や鳥類でも瞳AFが働くそうで便利ですね。

しかし、実際に撮影に臨むと相手が一人(一匹?一羽?)のことの方が少ない気がします。
そうなると、フォーカスエリアを動かして合焦させたい方にフォーカスエリアを動かさなくてはならず、結局速さは損なわれます。
例えば運動会で我が子のかけっこを撮る時、我が子の瞳じゃなくて隣の子の瞳に合焦してしまうこともありがちなことです。
右目左目を選択できる機能を持っているカメラもありますが、それを選択するのとフォーカスエリアを動かすのとどっちが速いだろう?という違いしか無いんですよね。
そうなると、精度の点ではAFのお世話になりますがあらかじめどこに合焦させるかは考えておく必要があります。

動画に関して

いずれの機種も4K撮影が可能になりました。
しかし、EOS R5以外は4Kでも30Pまでです。SONY α7RⅣが登場するときには当然60Pになるだろうと思い込んでいましたが30P止まりでガッカリしたのは事実です。

とはいうものの、35㎜フルサイズでの4K60Pはまだ現実的ではないと考えるようになりました。ハード上の問題は元より、記録する環境や編集する環境まで考えると大変です。H.265でファイルのスリム化を図っているとはいえHDのようにはいきません。記憶媒体も買い足さないといけないし編集に関してもPCから見直さないと不可能です。調べれば調べるほど落ち込んできます。
加えて、35㎜となるとフォーカスもかなりシビアに合わせないとピンボケが目立ってしまいます。映画のようにじっくり撮る分には良いかもしれませんが被写界深度の浅さだけはどうしても気になります。(テレビでも背景にピントが合っていることありますよね?)
そう考えると、一眼ならフォーサーズの方が撮りやすそうですし、ハンドリングを考えるとビデオカメラの方が使い易いと考えるようになりました。(電動ズームレンズもフルサイズは少ないし…)

4Kの環境がこんななのでEOS R5の8Kなんて完全に視野の外です。非現実的としか思えません。(8Kで撮影、4Kへダウンサイジングの方が画質は良いそうですが…)一部で言われる熱対策も気になります。外気温で撮影時間が変わってしまうようでは落ち着いて撮影なんてできませんね。

どうしてもフルサイズ機でボケ重視で撮りたいというのなら、ちゃんと冷却も考えたα7SⅢの方が安心ですねぇ。ムービーじゃ高画素必要無いですし。
Panasonic DC-S1Hのようにクーリングファン内蔵で熱対策までやったうえで4K60P撮影できますというカメラもありますが、6K24P撮れて53万円だそうです(笑)
というわけで、どれだけの方が35㎜フルで4K60P撮影をしたいのかわかりませんが、35㎜での動画撮影を比較条件から外してしまうと、いよいよ価格差が気になります。動画を撮らないのに46万円(仮)も払うかなぁ?と疑問を感じてしまいます。
ステータスとして持つ分にはお引止めしませんが、CANONがニューカメラを出した!それ行け~で買ってしまうものではないと思います。

普及機?の考察



 
EOS R6(34万)α7Ⅲ(21万)Z6(23万)Panasonic DC-S1(32万)とEOS R(19万)の比較です。
なんと呼べば良いのかわからないので普及機としましたが、どれも高いですね。徐々に高くなってきて、おおむね20万円超えになってしまいました。
EOS R6の有効画素数が約2010万画素、Panasonic DC-S1が2420万画素、α7Ⅲが2420万画素、Z6が2450万画素そしてEOS Rが3030万画素です。
こちらもノイズを比べてみました。

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EOS R6、NIKON Z6、Panasonic DC-S1、α7Ⅲはほぼ同じです。
EOS Rはちょっと見劣りしますね。

こちらは、どの機種もほぼ似たようなものですが、見る場所によってノイズの載り方が違います。特にモアレの出方が違いますね。(あちこち動かしてみてください)
ノイズの数値通りEOS Rは少々部が悪いようでカラーノイズが若干目立ちます。600万画素多いだけでこれだけ違うものなんでしょうか?
では、R6が良いかというとそれほどの差は無いように思います。逆に画素数が少ない分もうちょとノイズが少なくても良さそうな…
画素数が2010万画素というのは動画に目標を定めているのでしょうか?それとも高感度耐性を意識しているのでしょうか?狙いがよくわかりません。
動画や暗所での撮影を念頭に置いているのであればα7SⅢのようなはっきりした打ち出し方が必要だと思います。
R6の価格がこのまま推移するのであれば値下がりしはじめたEOS Rの方がお買い得に思えます。

より暗いところを見るとPanasonic DC-S1が良いですね~
ただこのDC-S1、微妙にAFが遅いんですよね。DFDテクノロジーによってかなり改善されたようですが、基本がコントラストAFなので像面位相差に比べてまだ遅いようです。Panasonic独自のAFなのでさらに頑張って欲しいですね。

動画に関しては、上位機と同じです。
EOS R6とDC-S1は4K60Pで撮影できますが、冷却ファンがあるわけではありません。撮影する内容を(絵コンテなどで)きっちり決めておいて短いクリップを繋いでいくのなら熱停止も考えなくて良いでしょうが、長回しした中から必要な部分を切り取っていくとなると不安です。またそれだけ長回しすると結局どう保存するのかという問題に突き当たります。

もしかすると、最初からSSD装備のカメラが登場するかもしれませんね。(これはこれで熱対策の問題が…)

 
おっと、Z6…遅れて出てきたけれどα7Ⅲと大差無いですね。NIKONファンは買うのかな???
レンズの系列が多すぎて難儀することになりそうです。
色々な点でα7Ⅲに似ているので、SONYからの乗り換えは期待できないでしょう。

ちなみにNIKON Z5は?

位置づけのよくわからないカメラですね。なんで裏面照射じゃないカメラをラインナップに上げてくるんでしょうか?価格を抑えることでユーザー獲得を狙っているのかな?

どうせなら、もうちょっと頑張ってZ6買うべきです。
(初NIKON購入予定なら、まだレンズの出揃っていないNIKONではなくてSONY α7Ⅲをお勧めします)

「動画も撮れる」から「動画を撮る」へ?

ずっと前は一眼動画は撮れる程度でしたが、最近は動画もまともに撮れる方向にシフトしているようです。
しかし、いくらYOUTUBE花盛りとはいえミラーレス一眼の利用者がどれだけ動画を撮るのだろうと考えてしまいます。
いっそ動画は撮れないけれども、静止画に関しては尖がってますという少し安いカメラが出てきても良いと思います。
その点、60Pでの撮影はできませんが6100万画素という高画素で登場したSONY α7RⅣには割り切った良さを感じます。(安くはないけど)

4K60P動画を撮りたいのなら



動画をある程度以上の画質(4K60P)で撮りたいのであれば、

Panasonic DC-S1H:35㎜
Panasonic GH-5:3/4型
FUJIFILM X-T4:3/4型
Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K:3/4型
Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K:スーパー35
いずれで撮影するにしても外部記録のためにATOMOS NINJA VとSSDが別途必要になると思います。

ビデオカメラなら
Panasonic HC-X1500:1/2.5型 MOS(X2000にはSDIあり)
SONY PXW-Z190:1/3型 3CMOS
SONY PXW-Z280:1/2型 3CMOS
CANON XF400:1.0型CMOS(XF405にはSDIあり)
JVC GY-HC500:1型CMOS
Panasonic のHC-X1500はセンサーサイズが小さめな割に良い評価を得ているようです。一方、SONYのPXW-Z190は評価が芳しくなくPXW-Z280に負けるようですがPXW-Z280はアマチュアが手を出せる機種ではありませんね(70万円を超えます)CANON XF400の評価もパッとしませんね。上にXF705がありますが、SONY同様、素人が買うようなものではありません。(75万円超です)
JVCは、海外では人気なのでしょうか?YOUTUBEではJVC機の動画も目立ちます。でも~GY-HC500の価格は60万円超えと手が出ません。

ビデオカメラはオールインワンですが、一眼で動画を撮るとなると結局、周辺機器が必要になり高額なビデオカメラと価格差が少なくなってきます。
現実的に(価格的に)アマチュアが手を伸ばすことができるのはPanasonic HC-X1500ですね~(HC-X1000の中古買ったばっかりなのに…)

 
まだまだビデオカメラはビデオカメラとして、スチルカメラはスチルカメラとして選んだ方が良いというのが感想です。
どちらに重心をおくかが大事であって、どっちも撮りたい…は危険です。
何度も言いますが、動画撮らないのに46万円(仮)のカメラは必要ありません。

で、おすすめは何?

乗り換えOKなら
高画素機はSONY α7RⅣ、スタンダード機はα7Ⅲを選びます。
READ NOISEで見た差を考えると、6100万画素でEOS R5より安くてAPS-Cクロップしても2620万画素という機能の方がずっと魅力を感じます。
ものすごく欲しいけれどもISO25600での写りがα7Ⅲに負けるのが…。ちょっと暗いところで動体撮ろうとしただけでも、すぐISO12800超えますからね~
NIKONも悪くはないのですがNIKON F3以来どうも信用できなくって…申し訳ないです。

乗り換えたくないのであれば、
CANONならどうしても新しいカメラを購入せざるを得ないのであればEOS Rで様子見。R5もR6もまだまだ価格が高いです。すぐに購入する必要は無いのではないでしょうか?
NIKONは、お財布と相談でZ7Z6ですね。

動画の方はビデオカメラに任せるべきだと思います。
コストパフォーマンスを考えるとPanasonic HC-X1500一択かなぁ?
高感度時の静止画の写りは期待できませんが、Panasonic GH-5も良いかな?
Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kには大変魅力を感じますが、レンズ、SSD、リグなどが必要になってしまうので案外高い買い物になってしまいます。(使ってみたいけど)

さらに上を目指すとなると70万円超えちゃいますので仕事にしない限り不必要です。
α7RⅣとHC-X1500で60万円ですか。どっちも持ち歩いたら中古の軽自動車持ち歩いてるようなもんですね(笑)
最後に一言、35㎜動画で被写界深度が浅いのはかなり大変ですよ~(AFのスピードも考えてあげないと見る側が酔います)
その上、高価なリグ組みますか?
新しく出てくるカメラ、段々高くなりますね。でも金銭感覚を麻痺させちゃダメですよ?
何を撮るのか、どういうシチュエーションが多いのか、そしてどれだけの稼働率があるのかよく考慮してくださいね。