カメラの操作 絞り

10/07/2016

カメラ操作の三要素のうちの一つ、
最初に、「絞り」についてお話します。

「絞り」について


昔のカメラには、「絞り」を操作するためのリングが付いていました。

しかし、今のカメラは基本的にカメラ任せになっているため、そういったリングは省かれるようになりました。無くなったわけではなく設定変更といった感じになりましたね。一つのダイアルでいくつかの調整ができるようになっていたりします。(この辺が、操作の複雑さを生んでいます)

前回お話したとおり「絞り」は、レンズから入ってくる光の量を穴を開け閉めすることで調節します。絞り優先設定の場合は、こちらを決めておきシャッタースピードをカメラに任せるということになります。

絞りは、2.8、4、5.6、8、11、16、22といった数字で表されるということは前回お話しましたが、「絞り」の使い方によって写真の表現が変わってきます。

ちょっと難しい話になります。

「被写界深度」?

「被写界深度」という言葉があります。
初耳ですか?
これは必ず意識していただきたい点なので、我慢してくださいね。

簡単に言ってしまえば、ピントの合う範囲の事です。
ピントを合わせた所にしかピントが合っていなかったら、多くの写真は見られたものではありませんよね?
ある程度の範囲にピントが合っているから状況がわかる写真になるわけです。
ある程度の範囲、これを被写界深度と言って差し支えないと思います。

「絞り」と「被写界深度」

「絞り」には、絞りの数値によって、ピントの合う範囲が変化するという特性があります。
今のカメラは、「オートフォーカスだから関係ない」…と考えそうですが必ずしもそうとは言えないのです。

たとえば記念撮影の場合、横一列に並んで写す場合にはさほど影響は無いでしょう。
けれども、前後に5列も並んで写せば、最前列の人にはまず間違いなくピントは(カメラが)合わせてくれるでしょうが、列の後ろになればなるほどピントは合わなくなります。曇りや室内などの暗い所で絞りを開くことになれば、その影響は顕著になります。

それは、「絞り」の数値による被写界深度の変化が起こるからです。

「絞り」の数値=絞り値が大きくなるほどピントの合う範囲が拡がり、
小さくなるほど、範囲が狭くなります。

開放値と言って、これ以上開けられませんというレンズ自体の明るさがありますが、絞り値をその開放値まで目いっぱい開けると(小さい数値の方)ほぼ、ピントを合わせたところにしかピントは合いません。

絞り優先はどう使う?

絞り値によって、ピントの合う範囲は違ってきますが、「被写界深度」はピントを合わせたところの前に1、後ろに2の比率で拡がっています。
この範囲が、絞れば(絞り値が大きくなれば)拡がり、開ければ狭くなります。(比率は、前1後2に変化はありません)

さて先の記念撮影の例ですが、5列に並んだ人を撮る場合、オートフォーカスだと最前列の人にピントが合ってしまいますが、適度に絞った上でフォーカスポイント(ピントを置く点の事です)を操作して、2列目の人にピントを合わせる事で全ての人にピントが合うようになります。
もちろん、これは比率の話ですので絞り値が足りなければ被写界深度外になってしまいますので、ある程度絞る(絞り込むと言います)必要があります。
私の経験から言えば、この場合f11から16あれば足りるだろうと思います。

被写体との距離が近い場合は、横3人程度でもカメラに近い人遠い人の差が大きくなりますから、やはりある程度の絞りは必要になります。

面倒な事に(?)、この「被写界深度」はレンズの焦点距離(広角レンズとか望遠レンズとか)によっても変化するのですが、この点は別の機会にお話しします。

「絞り」は、絞るほどピントの合う範囲が拡がる
ピントは、ピントを合わせた点の前1後2の比率で合う

上の2点を撮影時に意識すると、写真の出来栄えはかなり変わると思います。
この被写界深度を考えながら撮影したい場合に使うのが「絞り優先」です。

注記

絞るほどピントの合う範囲が拡がるのは良いのですが、絞りすぎると回折格子現象のため逆にボケを発生してしまいます。レンズの性能などにより条件は様々ですが、f16を一つの境目として覚えておくと良いと思います。

オートフォーカスの面倒臭さ

オートフォーカスは、狙った所には高精度でピント合わせをしてくれますが、それが仇になる場合もあり得ます。ここにピントを合わせてくれていれば、ここまでピントが合っていたのに…ということです。

私もオートフォーカスのお世話にはなっていますが、フォーカスポイントは頻繁に変えています。人物一人なら基本的に眼にピント合わせしますが、人物一人が被写体ではないことの方が圧倒的に多いですよね?

まして、風景の場合はこの「被写界深度」を考えながら撮影することが重要になってきます。(パンフォーカスと言って、全景にピントが合うように絞り込む場合もあります)
最近のカメラは色々なフォーカスエリアを選択できるようになりましたが、カメラが被写界深度を考えてくれるわけではありませんから、撮影状況に応じて絞り値とどこにピントを置くかは常に意識していないといけません。

「絞り」の効果を知るには

デジカメは、不要な画像は削除できますから、前後に並んだものを、絞り値を変えたりフォーカスポイントを変えたりして実験してみてください。
前にピントを合わせて後ろをぼかしたり逆をやってみたり、全体的にピントを合わせてみたりと、それぞれ絞りによって結果が異なることを試してみてください。
ベランダの柵でも並べた空き缶でも構いません。その効果がよくわかると思います。

 
次回は、「シャッタースピード」についてお話します。