フレーミング~構図の話 1
構図を決めるという事は、
一眼でもコンパクトデジカメでもスマホでも同じです。
構図の発想~主題
構図の決定には、はっきりとこうしなくちゃいけないという決まりも無ければ、こうしちゃいけないという決まりもありません。(芸術って皆そうですけど)
ただ、どうせならこうした方が良いという事はあります。
まず、画面=ファインダーを覗く前に周りをよく観察する事…主題は決まっているからカメラを向けるのだと思いますが、主被写体の周りにも気を付ける必要があります。
主題と脇役
簡単に言ってしまえば、「何を入れて、何を省くか」なんです。
たとえば、あとほんのちょっと下を向ければ、つま先が切れなかったということや、もう半歩下がれば頭が切れなかったという写真を良く見ます。
注意力なんですね。画面全部を意識しているか否かが大事なんです。
逆に、なんでも全てを入れれば良いというものでもありません。
自転車全部を撮ればそれが自転車である事はまず間違いなくわかりますが、サドルだけとかペダルだけを撮っても自転車とわかるわけです。
象徴的な所を探せば、必ずしも全体を撮る必要は無いんです。
さらに、突っ込んで言えばそれが何なのかをわからせる必要だってないわけです。こうなると普通の行楽写真とか記念写真とは違ってきますけど。
以前、多くの人に「これ、何」って訊かれた写真を創ったことがありますが、師匠はそれを訊かずに「いいじゃんか、これ作品にしろ」と言っただけでした。
前回の芸術のお話っぽくなってしまいましたが…
日の丸写真…
注意が必要なのが「日の丸写真」です。
主題(主被写体)が常に、ど真ん中にある写真です。そういう意図がある場合は全く問題無いんですが、顔が真ん中にあって顔の上と顔の下の部分の面積が同じ写真を時々見ます。頭の上の空間を切り詰めて、上半身をもっと入れれば、おさまりが良くなるはずです。
また、全身写真が左右均等の位置にある写真ですね。
観光地等の場合、背景に取りこんだ方が良いものがある場合は、人物の左右どちらかに空間を取り込むことでどこでの撮影なのかわかる写真になります。
もちろん、人物の配置によって右向き左向きのリクエストは必要になります。(人物が左詰めなのに、顔が左向きではおかしいですよね)
(注:背景までピントが欲しい場合は、被写界深度が必要になります)
このフレーミングも大胆に主被写体を隅に寄せることで、主被写体が小さくなっても視線をそちらに集中させることができます。背景が寂しい時には、有効な構図だと思います。
デジカメは、メモリが許す限りたくさん撮れますから、普通の写真を押さえで撮ってから違うフレーミングで撮るとバリエーションが増えて、楽しくなると思います。カメラを動かさず、露出も変えず、何枚も撮るのはナンセンスです。(同じものが何枚も撮れるだけです)
構図・フレーミングという言葉を使いましたが、アングルという言葉もありましたね。
アングルとは角度の事です。カメラと、被写体の角度です。
これも、今度お話しますね。