フレーミング~構図の話 2
構図を決める時、
さらに注意が必要なのが「アングル」です。
レンズとアングル
前回の話と若干重なるところもありますが、「アングル」という単語があったことを思い出したので、ちょっと、この点に触れてみましょう。
アングルとは、文字通り角度です。
カメラと被写体の角度、厳密に言えば被写体と受光素子(フィルム面)の角度です。
レンズには、色々な特性がありますが、「パースペクティブ」という単語をご存じですか?略して「パース」と言う事が多いですね。遠近感の事です。
レンズに近い所は大きく、離れた所は小さく見えます。この性質は、広角(焦点距離が短い事)になればなるほど顕著になり、望遠になればなるほど効果が薄くなります。
簡単な例ですが、建物全体を撮影する時、地面から撮影すればてっぺんに向かってすぼまっていきますよね?
逆に、人を頭から撮影すると頭でっかち尻すぼみになります。
また、壁面を撮影すると、手前から奥に向かって小さくなっていきます。
これらが、パースペクティブです。
広角レンズで普通に撮る
広角レンズで、人物を頭から撮って意図的に頭でっかちに撮影するのはブログでよく見かける手法ですが、(上目使いにしたいからそうなるんでしょうけど)全身をきちんと撮影したいときは、それでは困りますよね?空間が狭くて被写体までが近い時はどうすればいいでしょうか?
答えは簡単、しゃがめばいいんです。
全身の半分の高さに、レンズが来るように構えることで、頭・胴体・つま先までの各々の距離差を極力小さくするように撮影するわけです。
ちょっと辛い姿勢で、膝がガクガクしてきますが…壁が自分のすぐ後ろにある時は、エアー椅子の要領で壁に背を着ければ安定して撮影できます。
観光地で建築物を撮る時も同じです。
建物の半分の高さからの撮影はなかなか難しいですが、それでも少しでも高い所から撮れば上すぼまりを緩和できます。
ちょっとした配慮と工夫です。
望遠レンズで普通に撮る
また撮影場所が十分広ければ、被写体から離れて望遠レンズで撮影することで距離差は減りますからわざわざしゃがまなくても良くなります。
プロが良く「物が立つ」と言いますが、望遠レンズの良さを引き出す使い方ですね。離れて望遠レンズを使う=被写体が真っすぐ立つという事です。
今回までのお話は、基本的にカメラ初心者の方、ママさんカメラマン向けにノーマルにきちんと撮るためのお話です。
最初から、広角レンズ・望遠レンズの「らしい」使い方を狙っても、ノーマルに撮影することができなければ役に立ちませんのでそういうお話はしていません。
広角レンズの「パース」、望遠レンズの「圧縮効果」を用いた撮影法など、雑誌でもネット上でも溢れかえってますから、参考になる写真を探して後から試してみてくださいね。
でも、最初からそういう手法を使っちゃダメです。