CANON EOS R発売、α7IIIどうする?

13/09/2018

つい先日、CANONからフルサイズミラーレス機が発売されました。
やっとかというユーザーが多いと思いますが、
その性能・使い勝手はどうなんでしょう?

EOS R やっとCANONのフルサイズミラーレス機が


私の場合、何かと高感度での撮影を強いられることが多く、CANON機からSONY機=α7IIIに乗り換えました。 APS-CミラーレスのEOS Kiss MやEOS 7D markIIもISO6400を超えるとかなり厳しい画像になってしまうところ、α7IIIは、ISO16000でもまぁそこそこの写真が撮れるからです。

単にα7IIIに乗り換えるとなるとなかなかしんどいものですが、SIGMAマウントコンバーターMC-11のおかげで、CANON EFレンズを使いつつα7IIIの能力を知ることができるという大きな利点がありました。

結果的に純正レンズも購入しましたが、EFレンズの出動機会もありEFレンズも手元に残しています。

CANONから高感度にも強いカメラがいつ発売されるかわからない状況だったのでα7IIIを購入したのですが、α7III購入からやっと半年というところでEOS Rが発売され正直「なんなんだよ!」という感じですが、果たして再びEOS R購入=CANONユーザーに戻る判断は成り立つでしょうか?

EOS R 良いところ

  • 画素数が〇
  • α7IIIとの比較になりますが、センサーが約3030万画素と若干のアドバンテージがあります。ノートリミングで比較する分にはほとんど違いはわからないと思いますが、頻繁にトリミングをするので画素数が多ければそれだけ余裕はあると思います。この画素数の差は気になります。

  • AFフレーム選択可能ポジション
  • 最大5655ポジション、は大きな魅力ですね。EOS 5D markIVの測距点は最大61点、α7IIIでも693点ですからまるっきり違いますね。ただし、いかにAFが速くて正確でもピントをどこに合わせているのかがハッキリわからないと、確認してからガッカリということも少なくありません。望遠レンズ使用時に「ここにピントを合わせたい」というところが細かく選択できるのであれば大きなメリットです。

  • 測距エリアが〇
  • ラージゾーンAFの縦・横は使える設定だと思います。人が左右に動く場合、ファインダ上方に測距エリアがあったらなぁと思っていたところですから。あとは、どれだけ動体を掴んでくれるかです。

  • 測距輝度範囲が-6EV((F1.2、常温・ISO100・ワンショットAF)から
  • α7IIIの-3EVからでもかなりの恩恵にあずかっていますが、-6EVって凄いですね。ほとんど見えない明るさらしいです。EVFは、環境が暗くてもファインダーで見えるだけにAFが迷うと「うーん、ダメか」ということがありますからね。

  • タッチ&ドラッグAFが〇
  • EOS M5やEOS Kiss Mで使いやすさを実感したタッチ&ドラッグAF実装は期待が持てます。動体撮影時にはファインダーから目を離したくないですから、ドラッグAFは強い味方になります。α7IIIのマルチセレクターやEOS 5D markIVのマルチコントローラーは、動かすたびにカメラが動くのと思ったところにスッと動かせないのが難点です。測距点と測距エリアが広くなれば、この操作性はシャッターチャンスに大きく影響します。

  • レンズ交換時にシャッターが閉じる
  • α7IIIを使うようになって初めてセンサーへの埃の侵入を許してしまいました。レンズを外したときに、ミラーが見えるのとセンサーが見えるのとは心理的にも実質的にも怖さが違います。極力室内でレンズ交換するようにしていますが、チリ・埃の侵入は室内でも起こることなので、この機能は大変嬉しいです。 どんなにボディとレンズが良くても埃一つで写真は台無しになりますからね。

  • 54㎜の大口径マウント
  • 今のところ、目立ったメリットは無いように思えますが、口径がでかいのはやはりメリットだと思います。α7IIIは46mmですが、この差がじわじわ効いてこないと良いがなぁと思わなくもありません。

  • ドロップインフィルター マウントアダプターが〇
  • RFレンズはまだ本数が少なく、CANONユーザーは自動的にマウントアダプターを使うことになると思いますが、ドロップインフィルター マウントアダプターは円偏光フィルターが内蔵される形になっており、レンズのフィルター径に関係なく偏光フィルターを使えるのは大きなメリットです。レンズごとに偏光フィルターを購入すると結構な額になりますからねぇ。 これはフランジバックを活かした大変面白い発想だと思います。

    デジタルになってもEOS KissからずっとCANONを使ってきましたが、CANON機って微妙なところで使いやすいなぁとつくづく思います。 α7IIIを使うようになって尚更です。特にシャッターボタンの角度は、カメラブレの観点から非常に大事なところですし、ダイアルの位置も大きく指を動かさなくても確実に回すことができ、何気なく使っているところで差異を感じます。 動体を撮影していると、この細かい違いが結構影響する気がします。(α7IIIのシャッターボタンは角があってちょっと押しにくいんです、歴代EOSと大きく違う点です)

    といった点から、能力的にOKならEOS R購入を考えたいところです。

    EOS R 一般的な評価ほどダメだと思わないところ

  • ボディ内手振れ補正が無い
  • これが装備されていないとそんなに困るかなぁとつくづく思います。今までCANON機には装備されてきませんでしたが不都合があったんでしょうか? 一部のEFレンズには手振れ補正の無いものがあり、なんで未だに未装備なんだろうという疑問は持ちますが、それがボディ内手振れ補正に直結するものでもないと思うんですが…

    マウントアダプター経由でオールドレンズを使いたい方には、ボディ内手振れ補正はあってほしい機能かもしれませんが、新しいRFレンズが出る状況でわざわざそれをメーカーが考慮するとは考えにくいですねぇ。 ただし、SONY機のようにボディと合わせて5軸手振れ補正が実現されるというのは強力な魅力ではあります。

  • マウントアダプター経由に対する不安
  • CANONが既存ユーザーをバッサリ切るつもりなら使えないマウントアダプターを出すのでしょうが、まさかそんな酷い製品をだすとは到底考えられないのでマウントアダプター使用に対する不安は全くありません。 確かに、EOS M5やEOS Kiss MでマウントアダプターEF-EOS Mを使った際にAFのモタつきは感じましたが、レンズとボディが全く違いますから要らぬ不安だと思います。

    最近は、レンズの補正をカメラ側で行うものも出てくるようになり、レンズの小型化というと聞こえは良いですが、レンズの性能はそれほど良くないというものも中にはあるようです。 こういうことを考えると、むしろ、当分はEFレンズ使用で良いのではないでしょうか?

    EOS R ダメなところ

  • サーボAFで瞳AFが使えない
  • ソニー機で言うところのAF-Cですが、これで瞳AFが使えないのは痛いです。 被写界深度の浅い望遠レンズでサーボAF+瞳AFが使えないのは寂しい限りです。一点AFでゆっくり撮影できる時にはそれでも良いのですが…

  • バッテリー容量が不満
  • EOS RのLP-E6Nが1800mAhでモニター使用時370枚、α7IIIのNP-FZ100が2280mAhでモニター使用時710枚の開きがあります。画素数が違いますから一概に言えませんが、NP-FZ100ってそんなに大きさを感じるバッテリーでもないんですが、なぜこんなに差が出るんでしょう?

  • 最大連写が5コマ/秒
  • 私は、あまり連写を使わないので気になりませんが後発の割に5コマ/秒って少ないですよね?α7IIIの10コマ/秒が異常なんでしょうか?(笑)いかんせん、転送速度の速い高価なSDカードが必要ですし、バッファがいっぱいになれば撮れませんからね~

  • 連続撮影時にサイレントシャッターが使えない
  • ストロボ撮影時にサイレントシャッターが使えないのはα7IIIと同じですが、連写時にサイレントシャッターが使えないのはなんでだろうと思います。連写をあまり使わないとは言っても、LOでのサイレントシャッター連写はたまに使いますからちょっと困りますねぇ。

    EOS R 使ってみないとわからないところ

  • 高感度耐性が不明
  • センサーはEOS 5D markIVのものと同等に見えますが、CANONによると新開発だそうです。単純に比較するのは問題ありますが、ノイズの比較ができるサイトで見るとやはりEOS 5D markIV並みのようです。

    クリックで拡大します

    ここで比較してみてください
    (右の候補をクリックすると選択できます)

    ページ下に(英文で)記載されているとおり、生の値なのでカメラ内での調整により写真に変化があるのは当然でそのまま評価に直結するものではありませんが、例えばEOS M5よりEOS Kiss Mの方がノイズが若干少ないなぁと感じたことを裏付けてます。(色々比較してみてください)

    EOS 5D markIVとSONY機の比較です

    後発にしてはちょっと物足りないですねぇ…FUJIFILM X-T20が健闘しているのに驚きます。α7III購入前に高感度耐性をさんざん比較しただけにEOS 5D markIVと同等では価格対比でちょっと…

  • AFの使い勝手が?
  • まず、ドラッグAFが思ったように使えるか否かが大変気になります。α7IIIのドラッグAFは動作がぎこちない上、シャッターボタンから指を離さないとモニターまで指が届きません。EOS Rの大きさもα7IIIと変わらないように見えますが、その辺はどうなんでしょう。α7IIIでは仕方なくマルチセレクターを使っていますが、EOS Rだと指届くのかな?

    また、モニターでの確認画面を見てみると最大5655ポジションの割にAFフレームがでかい気がするんですよね。 α7IIIを購入した大きな理由の一つはAFフレームの小ささです。ここに合わせているんだなというのが一目瞭然です。 EOS Kiss MやFUJIのX-T20はこのフレームが大きくて広角側を使っているときにどこに合焦しているのかわからなくて不安になる時が多々ありました。EOS Rに関しても同じ問題が無ければ良いのですが、動画を探してもこの点に触れているものがなく明確になっていません。(延々としゃべってる動画ばっかり…)

  • ファームウェアのアップデート
  • 一部の話では、ファームウェアのアップデートにより機能が追加されるようで、その中にコンティニュアスAF時の瞳認識があります。 なぜ最初からそうしなかったのか謎ですが、後にアップデートされるならそれはそれで歓迎できるでしょう。

    また、サイレントシャッターモードでの連写機能もアップデートで追加されるという話もあります。いずれにせよ正式発表されないとわからないことなので何とも…

    2019/04/06追記
    ファームウエアアップデート Ver.1.1.0でサイレント撮影時の連続撮影の機能が追加されました。

    EOS R 動画に関して

    動画に関してはビデオカメラに任せた方が良いと最近思うようになり、動画性能はあまり注視していませんが、タイムラプス撮影ができたり便利なところもありますが、4K撮影時に1.7倍クロップ(切り出し)は痛いですね。

    しかも、クロップされるエリアが撮影前にわかるなら問題ないのですが、撮影開始と同時に拡大(切り出し)されるようでは大変困ります。撮影開始してからフレーミングを変えることになりますから、撮って出しはしにくいということになりますね~ この辺も動画での撮影状況が確認できず使ってみないとわからない部分ですが、クロップされるのは間違いないことなので、ズームアウトで対処できれば問題ありませんが、そうでない場合は、より広角レンズが別に必要になってしまいます。

    上位機で、この問題が解消されるとすると随分舐めた話だと思うのですが、まぁ、動画機能を使わない奴が偉そうに言ってもしょうがないのでこの辺で。

    CANON EOS R 購入見送り

    期待のEOS Rですがα7IIIを大きく凌駕するものではないですね。もちろん、先述したようにCANONの使いやすさは大きな魅力であります。 現像アプリのDPP4も使い慣れたところだったので、再び使いたいとも思います。

    私の場合、イベント撮影の機会が非常に多くなり、高感度耐性以外にレンズの選択にも悩まされることが多く、カメラ2台体制にしてみたり、普通にレンズを交換したりして撮影してきましたが、結局広角から望遠までをカバーできるFE 24-240mm F3.5-6.3 OSSの購入に落ち着きました。

    コストパフォーマンスに優れた、EF24-105mm F3.5-5.6 IS STMやEF70-300mm F4-5.6 IS II USMを制約無く使えるEOS Rは大変気になりますが、もう一台買ってみようという価格ではないですね。

     
    ただ、このカメラ、エントリー機なんでしょうか?α7IIIもエントリー機と言われますが、どこが?としか思いません。後発の低価格機が先発の上位機より実はあれこれ機能が勝っているという下克上状態は今後もボチボチ発生すると思いますが、カメラの実力ってカタログデータ以上に大事なところっていっぱいあります。

    いたらないと思うのであれば、次を待っても良いですが撮影機会は待ってはくれませんよ?何に目をつぶるかという判断も大事です。

    ご自分の機材と、ご自分の撮影内容を併せて考えないと、カメラ単体で考えると必ず失敗します。よーく考えて、賢い選択をなさってくださいね。

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