車窓動画にOSMO POCKET 凄いんだけど困ったちゃん
先日、コンパクトなのに高性能なので買ってしまいました。
でも買ってみないとわからない、じれったいところがあるんですよ。
このサイズでこの画質?
トヨタのCMでも登場するOSMO POCKET。発売前から騒がれていましたが、私も購入に踏み切ってしまいました。
因みに、スマホが無いと登録できず全く使うことができませんからご注意を!
まず驚くのがセンサーサイズです。
先日、旅行に同行したPanasonicのHC-VX1Mと同じ1/2.3インチのセンサーです(5.9×4.4㎜)。おまけにSONYのセンサーということなので暗所を含めた画質への期待ですね。
小さいけれど、画質が悪くて使えないのではと悩みましたがYouTubeでGoPro7などとの画質比較を見たところ、画質の良さも安定感もOSMO POCKETが一番良かったです。
GoPro7やSONYのDSC-RX0は、概して黒の締まりがなくコントラストが低く見えます。一部の評価ではOSMO POCKETは黒が潰れていると見る人もいますが、その見方はあり得ないと思います。GoPro7やDSC-RX0は明らかに黒濃度が足りてませんよ。
この性格は、夜の撮影時の写りに違いが顕著に現れます。GoPro7やDSC-RX0は、明るさだけを持ち上げている画作りになってしまい、室内で撮ったスマホ画像のような締まりのない画像になってしまいます。(GoPro7はともかくDSC-RX0はなぜ?)
OSMO POCKETはそういうことも無く、暗部は暗部としてちゃんと落ちていっているので綺麗です。なんでも明るく見せれば良いというものではありませんからね。
画角がちょうど良いOSMO POCKET
GoPro7やDSC-RX0は画角が広過ぎてパースが出過ぎです。人間の普段の視角は35㎜換算で28㎜くらいと言われていますが、それよりずっと広いので違和感感じます。なんでもかんでも見えたものを全部取り入れる必要なんてありません。
要するに、自分撮りするのに画角が狭いというだけのことですね。
自分撮りしないのに画角が狭いと感じる人は、なぜパーンやティルトできるのか考えてないんだと思います。
手振れ補正とジンバルの違い
最近のビデオカメラの手振れ補正は目を瞠るものがありますが、やはりジンバルによるものとは印象が違いますね。
気になったのは、パーンしたときの遅延が起こる機種が多いことです。その点OSMO POCKETは自然にパーンしてくれるので手持ちでも違和感なくスムーズにパーンしてくれます。
OSMO POCKETは鉄道動画に使えるか? 良いトコ編
なにが素晴らしいって、とにかく小型であるという点です。
最近の鉄道車両は、小さなテーブルさえ無くロングシート車両ではサクションカップ(吸盤ですね)でビデオを支持するにしても他のお客さんに迷惑がかかってはいけないので、大きなビデオカメラを使うのは気が引けます。その点、OSMO POCKETは小さいのでセットもおのずと小さくなります。
車窓動画ではカメラは据えっぱなしなのでジンバルは関係無さそうですが、良いなと思ったのは画角です。たいていのアクションカムの画角が広過ぎるという点は先にお話ししましたね。車載カメラじゃないんですから、パースが出るほど広い画角は不必要です。自分が乗って見ているくらいの画角がちょうど良いんです。
OSMO POCKETは鉄道動画にも使えるか? 困った編
鉄道動画と言っても、いわゆる車窓動画です。
OSMO POCKETはズームアップできませんから線路脇での撮影にはほぼ使えませんが、画角を変えない車窓動画では広角側でしか撮影しませんからセットが小さくなって荷物を減らすことができます。
どちらかというと乗り鉄の動画撮影なので購入に至ったOSMO POCKETですが、困った問題も山積してます。
バッテリーの持ち時間
普通にクリップだけ撮る人には全く問題無いと思いますが、車窓動画となると30分を超える長時間録画もザラです。そうなると問題なのがバッテリーの持ち時間です。
OSMO POCKET単体での撮影時間は、公称140分ということでこれなら問題無さそうです。
ところが、OSMO POCKETには大変困った点があります。撮影時のモニターにスマホを簡単に接続できる点は非常に良いのですが、スマホに接続するとOSMO POCKETからスマホへの充電が始まってしまうんですね。
OSMO POCKETは、電池交換できませんから予備バッテリーを準備しておくことができません。その上、スマホ接続時にバッテリーが減ってしまうのは大変困ります。設定で充電を行わないようにすることもできないので、給電する方法を常に考えないといけません。
ただ単に充電するだけなら問題ないんですが…
外部マイク使用時の問題
OSMO POCKET本体のマイクは、思った以上に音が良く低音も良く拾ってくれるのですが、マイクがこちら側を向いているのが不満です。
幸い、3.5㎜アダプターが発売され外部マイクが接続できるようにはなりました。
しかし、推奨しているマイクにはステレオマイクも含まれているというのに、L側の音を左右に振り分けただけのモノラルです。ピンマイクで自身の会話を中心に撮る場合には問題ありませんが…
また、どういう内部構造になっているのか外部マイクを接続した場合のレベルが低いんです。設定を変えても(自動でも)本体マイク使用時のレベルより低いですね。
動画編集アプリでレベルを持ち上げることはできるでしょうが、あまりやりたい手法ではありません。最悪、ノイズごと増幅してしまうこともあり得ます。アプリで色々できるでしょうが、手間が増えるのは歓迎できません。
恐らく、一眼レフと同じでマイクアンプがそこそこなのかな?音質改善策を考えないといけないと思うのですが、OSMO POCKETの小ささを殺してしまっては意味がありませんから間に色々挟むのは考えものです。ICレコーダー持ち出すくらいならビデオカメラ使いますっていう話です。
ローリングシャッター現象
YouTubeで見ると条件によって違うようですが、自分でちょっと撮影してみた限りではかなりローリングシャッター現象が発生します。車窓から見える電柱が斜めに写るのがハッキリわかります。正面に据えて撮影する分には目立ちませんが、側面に設置した場合にはかなり目立ちます。
鉄道撮影は静止画でも動画でも歪みは基本的に御法度ですから、これには困ったものです。
歩くスピード程度が望ましいと考える造りです。
ジンバルがGの影響を受ける
テスト撮影のみなのでこうですよとお見せするほどのものを撮影していないのですが、加減速の時に角度が変化してしまいます。
おそらくGの影響を受けているのだと思いますが、ローリングシャッター現象と並ぶ致命的な問題です。
歩行時の縦揺れには弱い
鉄道撮影では関係ありませんが、歩行時に発生する縦揺れの吸収は完璧とは言い難く、画面が上下に揺れます。この揺れに対してはSONYのビデオカメラの空間認識の方が優れているようです。
しかし、OSMO POCKETの持ち方によっても揺れ方が違うようで、本体を水平に持つと揺れが軽減されるようです。ジンバルの構造上そうなるのはなんとなく理解できますが、本体のみで撮影する場合、モニターが見にくいですねぇ。
縦揺れはSTARTRC ST-1105993で軽減されます
モニタリングとマイクアダプター使用と充電が同時にできないOSMO POCKET
モニタリングとマイクアダプター使用と充電が同時にできない、これが最大の問題点です。
そもそも長時間録画は考えていないのでしょう。
ワイアレスモジュールを使えば、スマホへの充電はされませんからバッテリーの消費は抑えられる上、OSMO POCKET本体への充電もできますが、3.5㎜アダプターが接続できないので外部マイクが使えません。因みにワイアレスモジュールに3.5㎜アダプターを繋いでも機能しません。
では、ということでUSB-Cのメスメスアダプターをユニバーサルポートに接続して3.5㎜アダプターを使ってみましたが機能しません。
また、ユニバーサルポートからスマホへの接続をUSB-Cのメスオスケーブルで接続すればモニタリングと3.5㎜アダプターの併用はできますが、今度は充電ができません。さらに、ケーブル接続でもスマホへの充電が始まってしまうのでこの方法は使えません。
ワイアレスモジュールをまだ購入していないのでテストしていませんが、ユニバーサルポートにワイアレスモジュールを接続したらどうなるのでしょう?
まずワイアレス接続できるかどうかが不明で充電できるかどうかも不明ですが、これで機能してくれれば3.5㎜アダプターは接続できることになります。
残念ながら、結果はテストしなくてもわかります。ユニバーサルポートには接点が4つしかありませんから、機能してくれないことは明白です。
最近増えてきたUSB-C接続ですが、このUSB-Cがなかなかの曲者です。
USB-Cは24ピンありますが、すべてを生かして結線されているわけではなく、機能に応じて結線されているためケーブルによっては機能しないことが多々あります。繋ぐ向きによっても機能しないときがあるほどです。(必ずしも充電できる仕様にはなっておらず、データのやりとりしかできないケーブルも存在します)
あ、PowerDelivery対応のUSB-Cハブを使ってもダメでした。お試しになりませんように(笑)
YouTubeで発見、自作アダプター
多くのユーチューバーが我も我もとOSMO POCKETを取り上げているものの、Amazon見ればわかるガジェットの紹介ばかりで大して役立つ情報はありませんでしたが、私と似た疑問をお持ちの方が自作のアダプターというかコネクターを紹介していらっしゃいました。(こういう動画こそ価値があると思うんですけどね…)
あの小さなUSB-Cのテスト基盤を組み合わせて、充電・モニタリング・外部マイク使用の3つを同時にすることができるアダプターというかブリッジを作ってしまったわけです。
私も腕に自信があれば3.5㎜アダプターとマイクアンプも組み込んだアダプターを作ってしまいたいところですが、D/Aコンバーターの知識はゼロなので3.5㎜アダプターに替わるものを自作するなんて不可能で、どうしても3.5㎜アダプターは外に出ることになってしまいます…
どうも、3つの問題をクリアするにはアダプターを自作するしかないみたいですね~
おかげでほんのちょっとUSB-Cのことがわかるようになりました。
久しぶりに半田ごて使うかなぁ…実態配線図しかわかんないですぅ…
OSMO POCKET その他の注意点
広角アダプターは残念なのが多そう
私の感覚としては全く必要を感じないので購入する気も無いのですが、一つご注意を。
大体レンズアダプターという物は画質に影響を及ぼしますが、YouTubeを見ているとダメだな~という物が多いですね。広角アダプターですから歪曲収差が出るのは当たり前ですが、解像感を損ねていますね。広くなって喜ぶのは結構ですが画質を落としてしまっては元も子もありません。
また発色にも影響していると感じます。どうしても広角にする必要が無いのであれば、NDフィルターに資金を割いた方が良いと思います。
折角のパーンを使わない手はありません。
これが一番良さそうです
DJI Osmo Pocket用 広角コンバージョンレンズ
ワイアレスモジュールは、iPhoneと相性悪い?
ユーチューバーの皆さんはApple大好きさんばかりなのか、iPhoneとの接続の話が大半なので気付いたのですが、ワイアレスモジュールはiPhoneと接続すると遅延が激しいという話をよく見ます。一方、Android機ではそういうことは無いようです。
私のスマホはAndroidですがワイアレスモジュールをまだ購入していないので未確認です。
Bluetoothの周波数帯の問題が関係しているのでしょうか?モニタリングに遅延が発生してもらってはかなり困りますね、というか使えませんよね。
でも、小型高機能なOSMO POCKET
餅は餅屋と言う通り、物には合った使い方があるので車窓動画にOSMO POCKETを使うのはどうかなという結論になりそうです。特にローリングシャッター現象は致命的です。
その点はさておき、この小ささでまるでスパイの小道具のように使えてしかも高画質なのですから使ってみる気は満々です。
桜の季節はとっくに終わっちゃいましたがゆっくり歩きながら桜並木で撮影したら面白いだろうなと思います。
旅行時のクリップとしての撮影にも向いていますね。パーンすれば周囲の状況がよくわかる映像になる点は写真と違ったものになります。首や目を動かすのと同じでかえって主観的になるのが良いところです。
クリップとして使うとなると、問題は音質向上だけかな~
マイクアンプだけどうにかするのが最善策かな?
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