「絞り」と「シャッタースピード」の関係
「露出」を決める上での2大要素が「絞り」と「シャッタースピード」です。
今回は、その関係についてお話しします。
「絞り」と「シャッタースピード」の関係
露出の決定は、被写体に当たっている光の量を、「絞り」と「シャッタースピード」で分け合うとお話ししました。
シャッタースピードを上げた場合は、絞りを開けなければならず、(シャッタースピードを分母の大きい数字にしたら、小数点付きの数字は小さくする)絞りを絞った場合は、シャッタースピードを下げなければならないということです。(小数点付きの数字を大きくした場合は、シャッタースピードを分母の小さい数字の方に変える)
運動会で、走ってくる人物を撮影する場合には、おのずと、シャッタースピードを意識しなくてはいけません。
「流し撮り」という技法を使う場合は別ですが、誰が走っているかわかるように撮影するには、ある程度のシャッタースピードが必要になります。
人間なら、1/500で被写体は止まると思います。もっと速い移動体を撮影する場合には、当然、さらに速いシャッターを切る必要があります。
一方、風景など広範囲にピントを合わせたい時には、「絞り」を大きな数字にしなければなりません。
風景の場合、f8は欲しいところです。
「絞り」と「シャッタースピード」どっちを優先?
ここで「シャッタースピード」と「絞り」の関係になるわけですが、被写体のブレを防ぐ方を優先するか、ピントの合う範囲を優先するか…という判断が必要になります。
鉄道写真は、そういう意味ではシビアです。高速で接近してくる上、先頭車両から最後尾までピントが合うようにするためには、お天気次第という事が多々あります。(光量がたくさんある状況が好ましいということです)簡単に感度設定を変えられないフィルムでの撮影では、「絞り」と「シャッタースピード」のどちらを犠牲にするかは、いつも付きまとう問題でした。
結論から申しますと、犠牲にするのは「絞り」の方です。
なぜなら、どんなにピントを合わせても被写体ブレは被写体全体に影響が及ぶからです。
私は、手振れ補正を信じて、人がブレない1/60くらい(ギリギリです)にして絞りを稼ぐようにしますが、それでもいっぱいいっぱいです。
絞りを開けると、どこにピントを合わせるかを考える重要度が高くなります。
今は、昔と違ってフォーカスポイントには正確にピントを合わせてくれますからフォーカスポイントを間違えないように考えながら被写界深度内に収めるようにしています。
繰り返しになりますが、被写体ブレは被写体全体に影響が出ますから、ある程度のシャッタースピードは必要であるということを忘れないでください。
「フォーカスポイント」と「被写界深度」
シャッタースピードを上げることで、絞り値が確保できない場合も頻繁に出てきます。
こういう時に考えなければならなくなってくるのがピントの位置、「フォーカスポイント」です。先にも触れましたが、「被写界深度」を考える必要が出てきます。
どう考えても、「被写界深度」外になってしまう時こそ、感度=ISOを上げる必要が出てきます。
静止画は動画よりも、どこにピントが合っているか目立ちます。
次回は、ピント合わせ「フォーカス」についてお話しましょう。
(何か言い忘れてないかなぁ…)