【GoPro HERO 8 4K60P】h.265(HEVC)ファイルを再生するには

h.265(HEVC)で記録したファイル、うまく再生できますか?
結構これで悩んでいる人がいらっしゃるようです。
実は案外簡単に実現できるようになるんですよ。

GoPro HERO 8の4K60Pが再生できない?

過日購入したGoPro HERO 8ですが、ファームウエアアップデートの後、ようやく4K60Pでの撮影ができるようになり喜び勇んでテスト撮りしてみたものの、なんと再生することができません。
OSMO POCKETで撮影した動画は再生できたのになぜ?同じ4K60Pなのに…

GoPro HERO 8のガジェット記事や動画はいっぱいありますが、肝心のこの点に触れられていません。
外出自粛要請が出ている間に散々探してやっと解決しました。
手順そのものは簡単です。
 
目次
・機能拡張をインストールする
・マシンパワー、4K60Pの再生に足りていますか?
・そもそもh.264とかh.265とは?
 

「デバイス製造元からの HEVC ビデオ拡張機能」をインストール

WINDOWS 10の基本機能ではh.265(HEVC)で記録されたファイルはそのままでは再生できないので見出しの機能拡張をインストールします。

こちらは無料で利用できますが、「HEVC ビデオ拡張機能」の方は120円です。
同じ機能のコーデックだと思うのですが、何が違うんでしょうね?
ちなみにWINDOWS 10のみ対応です。

これで、WINDOWS 10のアプリ「映画&テレビ」で再生できるはずです。
他には、「VLC media player」や「GOM Player」がありますが、「映画&テレビ」がスムースに動作するようです。

h.265(HEVC)ファイルの再生にはマシンパワーも必要です

コーデックをインストールしても、h.265(HEVC)ファイルの再生はIntel第4世代のPCからになります。
コーデックもインストールしたし、これで再生できるようになった…と思ったのも束の間、動画編集しようとすると悲しい現実を目の当たりにします。

結局PCを買い替えました…
(参考までに、i7 4790 メモリ16GB グラフィックカード無し→i7 8700K メモリ16GB GEFORCE GTX-1060です。まだまだ非力です)

スマホやGoPro HERO 8での動画撮影に採用されているh.265(HEVC)、撮影機材は比較的安価な方ですが編集するとなるとPCにはかなりの出費が必要になってしまいます。
保存容量も大きくなりますから、その点でも出費がかさみます。
そのせいか、御膳立てはできているのにYOUTUBEでも4K60P動画はあまり見ませんね。このh.265(HEVC)というコーデックが障壁になっている気がします。

h.264とかh.265とはなんぞや?

難しい話を余計こじらせるのが目的のサイトではありませんので、ざっくりとお話ししますが(難しい話ができないという点はさておき…)、h.264もh.265も動画ファイルの圧縮形式の名前です。
静止画は、RAWもしくはJPEGでの記録が一般的です。RAWは生、JPEGは圧縮された記録形式です。圧縮というと何か隙間を埋めてファイルサイズを軽量化しているような印象を受けますが、実際はカメラ内でカメラが不要と判断したデータを削ぎ落しているのです。それでも見た目に影響が出ないように色々な方法が世に出ました。

動画も、一部を除いてデータの圧縮が行われます。かつてはmpeg2が主流でしたが、より高解像度のデータを捌くために採用されたのがh.264です。h.264は、2003年に国際規格となり、圧縮率はmpeg2の2倍です。カメラが高画素化するとよりデータ量が増える上、より速くデータを記録する必要もあり、圧縮率を上げる必要があるわけです。現在はまだまだ主流の座にあるh.264ですがh.265は4K以上の8Kもサポートしており、圧縮率はh.264の2倍(mpeg2の4倍)となっています。

一般的に圧縮率を上げると描写に好ましくない結果を招きますが、h.265はh.264の半分のデータ量で同じ画質を維持できる仕様になっています。

画質が良くてデータが軽い(=少ない)のならば万々歳と言いたいところですが、圧縮率が高い分、データを復元する(デコードする)ための環境への依存度が高いという弊害があります。

なかなか普及しないh.265

h.265には再生での問題もありますが、登場から約6年経過しているにも関わらずなかなか普及しない不思議さがあります。
スマホの普及でビデオカメラの普及が伸び悩んでいるのも1つの理由でしょうが、それ以上にライセンスの複雑さが普及を阻害しているという話もあります。

AV1に追い越されるかもしれないh.265

いくつかのハイエンドカメラ(一眼レフを含む)には採用され始めたh.265ですが、それと同等もしくはそれ以上の圧縮形式がAV1(AOMedia Video 1)です。この規格、なんとロイヤルティーフリーなんだそうです。
機能が上でロイヤルティーフリーとなれば関係業界がそちらに流れるのは当然で、Google、Apple、Microsoft等が参画しています。

ロイヤルティーフリーということは、機材の開発費も安くなるはず…なんだけどなぁ

 
いずれにせよ、4Kも60Pまで含めると途端に難しくなります。h.264までは良かったのですが、この先の基準の安定感が今一つです。
4K60Pになると、撮影機材、PC、編集アプリも高額になり簡単にシステムを変更することはアマチュアには厳しいですからね~
早く基準ができてくれるとありがたいのですが…