外部ストロボを使ってみませんか?
最近は、外部ストロボも小型化・大光量化されて
随分、使いやすくなりました。
しかし、カメラメーカーのストロボは高価ですよね?
使い方があらかじめわかっていないと
なかなか買う気になれませんよね…
ストロボを使うのはこんな時
私は、結構早い段階から外部ストロボを持ってました。
と言うのも、スタジオ勤めでストロボを使う事には壁がありませんでしたから。
しかし、いざ訊かれてみると難しい所が結構ありますね。
どんな時にストロボを?
ストロボを使う大きな理由は光量不足を補うためです。
最近のデジカメは、相当高感度で撮影できるようになりました。
しかし、感度を上げれば上げるほど画像は荒れてきます。
ISO1600くらいまでは、許せる範囲になってきましたがそれを超えるとノイズが目立ってきます。
それでも問題が無い場合は、感度を上げますが
半ば公的に写真を使われる場合は、極力感度を抑えて綺麗な仕上がりにしなくちゃいけません。
写るだけではダメ
たとえば、感度を上げる事で写るようにはなってもシャッタースピードが遅くて、絞りも開放という状況では使えない写真というのもあります。
絞る必要がある
商品撮影では全体的にピントがあっていないと詳細がわかりませんから、まず使えません。
イメージとしてぼかす場合を除いて、ある程度絞る必要があります。
シャッタースピードが必要
被写体が動く場合はシャッタースピードも必要です。
動物はもとより、座っている人間でも案外動くものです。
扱いが小さければ目立ちませんが、二人くらいの撮影時にはどちらかが被写体ブレしているという事もよくあります。
極端な話、曇りの屋外で植物の写真を撮る時、風が吹いているだけでも高めなシャッタースピードが必要になる事があります。
近接撮影だと絞りも必要になりますから、感度設定だけで対処するのは厳しい場合があります。
というように、
シャッタースピードや絞りの数値を高くしたい場合で、なおかつ、感度設定を低くしたい場合にストロボの出番となります。
内蔵ストロボじゃダメ?
使えなくはないです。
しかし、オマケで付いているようなものですから限界がかなり低いですね。
まず、光量が少なすぎます。
被写体がちょっと遠くにあるだけでもう光が足りないという状況になります。
また、真正面に向いているので、被写体の影が後ろにダブって写ります。
オートの場合、被写体にはしっかり光が当たっていてもその背景は真っ暗で、ちょっと怖い写真になってしまいます。
影を薄くする方法はありますが、元々光量が少ないので、できる事に限りがあります。
さらに、カメラ本体のバッテリーを消費するので替えのバッテリーも必要になってきます。
私も、内蔵ストロボを使う事はありますが無ければ無いで、外部ストロボを使います。
ちなみに、内蔵ストロボを使うのは年に2回あるかないかです。
いっそ、内蔵ストロボを廃止して、ヘッドホン端子を付けてくれと言いたいくらいです。
(その方が、いくらか軽くなりますし)
というわけで、
撮影する状況が広くなってきたら外部ストロボも考えてみる事をお薦めします。
ストロボの種類は大きく分けて3種
ストロボの大きな違いはなんでしょう?。
言ってしまえば光量の違いと言って良いと思います。
一番でかいのは、ジェネレーター(電気を一時的に蓄える部分)とヘッド(発光部)が別になっている物です。
スタジオではお馴染みですが、自宅でモデル撮影でもしない限り不要です。
それより小さい、ジェネレーター一体型のストロボがあります。
光量は、小さくなりますが個人のミニスタジオで商品撮影するのに使っている方もいますし、車での移動なら屋外での使用も可能です。
そして、もうもう1つがクリップオンストロボと言われるものです。
カメラに載せて使えるという事でクリップオンと言われるわけです。
私が使っているのは、このタイプで結構古いものを大小一台ずつ使っています。
できれば同じものを二つにしたいのですが、利用頻度を考えるとどうしても先延ばしになってしまいます。
余程本格的に撮影しようとしない限り、クリップオンストロボでいけます。
もちろん専門的に考えれば、十分な光量とは言えませんが、普段の写真をより綺麗に撮るくらいの目的であれば大袈裟なセットは必要ないと思います。
ストロボを直に載せる
さて、ストロボの使い方ですが簡単とは言い難いですね~
ストロボの取説のようにいかないのが事実です。
最近はオート搭載のストロボがほとんどになりましたが、実際に使ってみるとオートが役に立たないという事をいやというほど実感します。
クリップオンで正面向き
ストロボの発光部は正面を向いていますよね。
まず、これに疑問を感じないといけないと思います。
定常光が正面から当たる事って無いですよね。
そのままドーンと光を当てると明るくは撮れますが、正面に水平に光が当たるので、のっぺりした感じになります。
また、背景に強い影がでるのでとにかく不自然です。
オートの場合、被写体は明るく撮れても背景が暗く写ります。
ストロボのメーカーによっては、この写り方に違いがありますが大なり小なりこの傾向があります。
ディフューザーを使って、影を薄くする方法もありますが実感としての効果はあまりなく、ほとんど使う事はありません。
被写体横に反射板を置いて光のバランスを加工すると若干メリハリが生まれます。
ただし、光量が少ないと受ける光量も少ないので目に見える効果は期待できなくなります。
クリップオンで正面向きの発光は、内蔵ストロボだけで実験できますから、実際にやってみるとよくわかると思います。
クリップオンで正面向きの発光は何かと面倒なので、わたしは滅多に使いません。
クリップオンで天井バウンス
最近のストロボは光量が大きくなった上、発光部を上や左右に振る事ができるようになりました。
発光面を天井に向けた反射光を使う事で拡散した光を被写体に充てる事ができます。
影も被写体の下方に落ちるため<後ろに出る影が邪魔にならなくなります。
また、背景にも光が回るようになるので被写体の後ろが暗く落ちる事が無くなってくるので、撮影場所の雰囲気を残す事ができます。
クリップオンで天井バウンスの問題点
見た目が俄然良くなる天井バウンスですが、被写体との距離や角度が変化した時に、常に発光面と天井と被写体の角度に気を配らなければならないという面倒が起ります。
特に面倒なのが、縦位置にした時です。
発光面の向きが全く違いますから、咄嗟に向きを変えるというのが困難です。
できない事ではありませんが、ストロボ側に重心が移動しますからストロボが大きくなればなるほどカメラをホールドしにくくなってきます。
ストロボをカメラと別に設置する
基本的に、カメラのホットシューにトランスミッターを載せてストロボを別に設置するという事です。
昔は、ストロボを設置するとなるとコード類が地面を這う事になって非常に邪魔でしたが、今のストロボは、ワイヤレス機能を標準装備していますので重いストロボをカメラから分離して設置するのも簡単になりました。
自由度も増えますので、私は、デジカメを使うようになった早い段階からストロボをオフカメラでセッティングするようにしました。
この方法だと、外部ストロボだけでなくトランスミッターも必要になるため、機材が増えてしまいますがカメラ単体で動けるというアドバンテージは大きいです。
以下、ストロボの設置方法です。
正面向きで高く設置
太陽光をイメージするとわかると思いますが発光面は正面向きで高く設置する方法です。
ストロボの光量が大きくて、(ガイドナンバーが50以上の物)被写体との距離や天井までの高さがとれる場合に有効な方法です。
ストロボが焦点距離をマニュアルで設定できる場合は、一番広角に設定し、発光面はほぼ正面向きに設置します。
天井近くに配置することで天井バウンスの効果も若干期待できます。
私は、直進する光が嫌いなので発光面をあまり被写体に向けません。
発光面の周辺部から出た光の方が少しは拡散されていると感じるからです。
天井バウンスと違い、光量が稼げるのが利点なのですが、被写体が前後に並んでいる場合、後ろに影が被ります。
直光の最大の欠点です。
もちろんストロボを増やす等、影を薄くする方法はありますが、セッティングに時間がかかり、ちょっと良い写真をというレベルでは無くなってしまいます。
フォローの為に2灯にすることは良くありますが、3灯以上となると即応性に欠けます。
私は、プレートを使ってサブのストロボをカメラ横に配置したりもします。
正面から撮る場合は、一灯でも良いのですがサイドがちにも撮る場合、こちらに向いている側が暗いのを、サブストロボでフォローしています。
カメラのホットシューはトランスミッターが占有しているので、プレートにストロボシューを付けて凌いでいます。
被写体に近づくと、サブストロボの光量が大きくなりすぎるので、サブストロボ光を壁や天井にバウンスさせたりトランスミッターで光量比を変えて撮影しています。
天井バウンスで設置
ストロボをオフカメラで設置し発光面を天井に向ければ、天井バウンスの完成です。
もっとも一般的な方法です。
発光面の角度は被写体との距離によって多少違ってきますが、あまり下に向けると直光が当たってしまうので、焦点距離の設定できるストロボは望遠側に設定するなどの調整が必要です。
発光面の角度や照射角(焦点距離)を変えてテスト撮影することをお薦めします。
それほど神経質にならなくても光が拡散してくれるので柔らかい光を簡単に作れますが、拡散する分、光量は落ちます。
けれども、感度はストロボ無しほど上げずに済みます。
また、天井の色や材質で色温度が変わるのも常です。
撮影後の補正は必須と考えてください。
天井バウンスのここが便利
オフカメラでの天井バウンスは、カメラが軽いだけでなく光が拡散するため、彼我が少々動いても大きく露出が変わらないのが利点です。
さらに、広範囲に被写体が存在しても後ろの被写体に影が被る事が少なくなるのでフットワークが軽くなります。
ストロボ撮影時の露出は?
これが難しいですね。
正面向きの時はオートでも撮れますが、白い反射物によってアンダーになったりどこを測定したのかオーバーになったりあてにできない事が非常に多いので、オフカメラの時には、大抵マニュアルにしています。
(私のサブストロボは、マニュアル設定できないので我慢しています)
露出は、1/125が多いですね。絞りは、5.6~11です。
その上で、発光量とカメラの感度で良い所を見つけて撮影しています。
フル発光させても足りなければ、カメラの感度を上げますしISO800くらいで済むならば、発光量を落としてバッテリーを温存する時もあります。
とにかくケースバイケースなので一概にこの設定が良いですよとは言いにくいですね。
現場の照明が明るめの時は、シャッタースピードを下げて定常光も使うと現場の雰囲気が出ますし、光もより柔らかくなります。
クリップオンストロボにはモデリングランプが無いため、撮ってみないと光の回り方がわからないという欠点があります。
一番困るのが、どこにどう影が出るか読みにくいという事です。
しかし、デジカメは撮ったその場で確認ができますから色々設定を変えて納得いくまでテスト撮影してください。
ストロボの設置には、
一般的にライトスタンドや一脚を代用したりしますが、家具の上に置く事もできますし、クランプを使えば、案外設置場所には困らないものです。
私は、ライトスタンド代わりにマイクスタンドを用いています。
ヘタなライトスタンドより高くできますしライトスタンドより重いので安心です。
ストロボ撮影後の補正作業は?
先にもお話しましたが、とにかく色温度は調整が必要になります。
直光の時には、やや青みがかりますしバウンスさせた時には、アンバーがかります。
この調整はそれほど面倒なものではなく、補正の段で、明るさ、色温度をまず調整しています。
現場で調整しておくのも良いですが補正作業を必ず行うのであれば、ノーマルで撮影して、後で補正すれば良いと思います。
他の調整は、定常光での補正と変わりありません。
テカリが強ければ、ハイライトをマイナスしますし、影が濃ければシャドウをプラスしています。
ストロボ撮影|終わりに
大変長い話になってしまいました。
作例写真は、当ブログの他の記事を参照してください。
ストロボ使用の作例となる写真って大抵1人のモデル、1個の物が多いですが、普段の撮影ではそういう事の方が少ないんですよね。
たとえば飲み会のように複数人を撮る時、クリップオンの天井バウンスならさほど感度を上げなくても明るく撮影できます。
私は、喫茶店やレストランのミニコンサートでストロボ使用の許可が貰える場合は、ストロボ使っています。
カメラメーカーのストロボは安心感は高いですが価格も高く、トランスミッターなどの機材も別途必要になるため案外出費が嵩みます。
けれども、うまくしたものでサードパーティーから使えるものが出ていますので検討されてはいかがでしょうか。
おすすめトランシーバーです
おすすめストロボです
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